「膝関節の痛み」について①

 

みなさんこんにちは。旭接骨院 竹内です。

11月末とは思えないほど暖かい日が続いていますね。せっかく厚めの布団や冬服を出したのに出番はまだまだのようです…

 

さて今日は膝関節の痛みについて書いていこうと思います。

ざっくりと「膝関節痛」と言っても色々な原因が考えられます。

大きく分けると、①膝内側の痛み、②膝前面の痛み、③膝外側の痛み、④膝後面の痛みに分けられ、それぞれスポーツなどで発生する痛み(スポーツ損傷)、加齢によるもの、骨折、使い過ぎによるものなど様々な原因があります。

 

 

原因別に詳しく書いていくと、

①膝内側の痛み

・内側側副靱帯損傷(MCL損傷)

頻度の高いスポーツ損傷の一つで、膝が外反強制(膝が内側に入る)されることで起こります。ジャンプなどの着地・ターンなどの非接触性要因や、タックルなどの接触性要因で受傷することが多く、よく言われるのは、「knee in toe out (ニーイントゥーアウト)」の姿勢、つまり膝が内側に入ってつま先が外側にある姿勢に体重が上から加わることなどで発生します。膝内側の疼痛や不安定性が見られることが多くあります。

1度損傷(痛みはあるが外反不安定性がない)、2度損傷(断裂はあるが、膝関節伸展位で外反不安定性がない)、3度損傷の一部は保存的治療として外反防止目的でキャスト・テーピング・装具などで固定をします。3度損傷の中で、膝関節完全伸展位でも外反不安定性があり断端が接触させられない場合は病院にて手術で縫合・修復を行うこともあります。

 

・内側半月板損傷(MM損傷)

内側半月板は、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間にあり膝関節の適合をよくするとともに、膝関節にかかる負担を分散させる働きを持っています。簡単に言うと骨と骨の間にあるクッションのようなもので、膝にかかる体重や衝撃を和らげたりする役割があります。膝の屈伸や回旋動作でギクッとする痛みや、関節水腫(膝に水が溜まる)ことがあります。一回の怪我で断裂する場合と、繰り返しの外力や怪我で徐々に断裂する場合があり、前十字靭帯損傷が放置されて膝くずれ現象を繰り返すと損傷しやすくなります。半月板はスポーツ中に多い単独損傷では外側半月板が多く、複合損傷では内側半月板・前十字靭帯・内側側副靱帯の同時損傷「不幸の3徴候(アンハッピー・トライアド)」と言われるほど重篤な損傷があります。

これは、荷重時で「つま先が外側を向いて、膝が内側に倒れ、膝から下の回旋が加わった状態」です。早くて1年、遅くて2年以上のリハビリを必要とすると言われることもあるくらい大きな怪我です。私自身も小学生からバレーボールをしていますが、この怪我だけはしないように気を付けています…

 

・鵞足炎(がそくえん)

縫工筋腱・薄筋腱・半腱様筋腱の3つの停止部は、脛骨内側で扇状に広がることで形状が鳥の足に似ていることから鵞足(がそく)と呼ばれています。膝関節の外反(膝が内側に入る)やアライメント不良により、鵞足を構成する筋肉の過剰な収縮が起こり、停止部へストレスが加わることで炎症が起こり痛みが生じます。ランニング・ダッシュが多いスポーツ選手や肥満傾向の方、筋力の弱い女性などに多く発生します。ガングリオンや外骨腫などが原因のこともあるため注意が必要です。

ランニング量の調節やランニングフォーム改良・十分なウォーミングアップ・ハムストリングスのストレッチ・練習後のアイシングなどをしっかりすることが大切です。

 

・内側ヒダ障害(棚障害)

膝関節内の内側滑膜(かつまく)ヒダに起こる障害で、スポーツなどで滑膜ヒダが大腿骨と膝蓋骨に挟まれることで滑膜に炎症が起こります。膝蓋骨(膝のお皿)内側の疼痛や圧痛、引っ掛かり感などが見られます。滑膜とは、関節を包む袋である関節包の内層にある結合組織のことで、靱帯や腱・脂肪体の表面を覆い関節内の異物を処理する貪食機能や、関節を潤滑に動かすためのヒアルロン酸などの滑液を分泌します。病院でMRIや関節鏡検査などで発達したヒダを確認し、保存療法で治癒することが多いですが時に手術を行うこともあります。

 

・変形性膝関節症(膝OA)

膝の関節軟骨の退行変性を基盤にして発生する痛みです。発症にはさまざまな因子が関与することに加え、加齢による骨・軟骨代謝の変化、肥満、筋力低下、使い過ぎによる軟骨の消耗などが退行変性を助長すると言われています。明らかな原因がなく加齢などに伴って発症する一次性OA(変形性関節症)と、糖尿病・関節リウマチ・関節内骨折などの外傷・関節不適合など先行する要因がある二次性OAに分けられます。

膝を動かすと痛みが出たり、夜間痛などがありますが特徴的な症状として「歩行時の動き出しが痛む運動時痛」があります。痛みは軟骨変性の強い内側関節裂隙(膝内側の大腿骨と脛骨の間)や膝蓋骨の下方にみられることが多いです。

進行すると関節可動域の減少が起こり、膝を最後まで伸ばせなかったり曲げにくくなったりします。内側の関節軟骨が消耗することで徐々に膝の内反変形(いわゆるO脚)が起こるようになります。

 

当院では足圧測定やカスタムインソールの作成を行っております。膝の痛みは足元から改善していくことが大切です。

お身体のことでお困りのことがありましたら当院にご連絡ください。