手首の親指側が痛い!!!

 

みなさんこんにちは。旭接骨院 竹内です。

11月に入り再び浜松市のコロナウイルス感染者が急増してきましたね。寒い時期に入り、インフルエンザも流行してくるので、手洗い・うがい・マスク着用など感染防止に努めていきましょう。

 

さて本日は、「手首を動かすと母指(親指)側が痛い」という症状について説明していきたいと思います。

このような症状が見られるときに考えられるものの一つとして、「ド・ケルバン病(de Quervain病)」があります。

“ 病 ” が付くってことは病気なの!?と思われがちですが、いわゆる手首に起こる腱鞘炎のことを指します。

 

ド・ケルバン病とは、手首(手関節)の母指側(親指側)にある腱鞘(手背第1コンパートメントと言われる区画の中にある)と、そこを通過する腱である①長母指外転筋腱(APL)と②短母指伸筋腱(EPB)に炎症が起こった状態で、腱鞘の部分で腱の動きがスムーズでなくなり、手首の母指側が痛み、腫れます。母指を広げたり動かしたりするとこの場所に強い疼痛が走ります。

 

簡単に説明すると、腱鞘と呼ばれるトンネルのようなものの中に、①長母指外転筋(APL)という筋肉と、②短母指伸筋(EPB)という筋肉の腱(スジ)が通っており、使い過ぎなどで炎症が起きトンネル内が狭くなって通過障害が起こるというメカニズムです。この二つの筋肉は手の母指(親指)を動かす作用があるため、親指を使うときに痛みが発生するという仕組みです。

 

痛みを訴える方に多いのは、周産期・更年期の女性や、お仕事でドライバー・電動工具を使う方、趣味で編み物をされる方、パソコンのキーボード操作、グリップ(握ること)を伴うスポーツ(テニス・ゴルフなど)のような、母指(親指)の ” 握り ” を伴う動作が多かったり、手をよく使うことが多いという傾向があります。このような動作は、上記の2つの筋肉が常に摩擦・伸張(伸ばされる)ストレスを受けているということが言えるからです。

 

長母指外転筋と短母指伸筋の疼痛誘発テストには、

エイホッフテスト(Eichhoff test)・・・台などの安定したところに肘を置き、手首は親指が天井にまっすぐ向くような姿勢をとります。その状態で、親指を他の指で隠すように握ります。 そのまま、手首を床に向けて垂直に曲げます。この時に親指側の手首に痛みが発生したら、ド・ケルバン病の疑いがあります。※痛みが出やすいのでゆっくりと行ってください!

その他にも、フィンケルシュタインテストなどがあります。

 

治療法としては、

局所の安静(シーネ固定も含む)・テーピング・サポーター・電気治療・病院などでは腱鞘内ステロイド注射や投薬などの保存的療法

改善しないときや再発を繰り返す場合は、病院にて腱鞘の鞘を開く手術(腱鞘切開)を行う外科的療法などがあります。

 

当院では、エコー検査(超音波画像診断装置)を使用したり、電気治療で痛みの閾値を下げる(痛みを感じにくくする)、マトリクスウエーブによる組織内循環改善、ハイボルテージによる神経的アプローチ、テーピングや包帯・副子などによる簡易固定にて治療を行っていきます。炎症期(痛みが強い時期)においては、RICE処置(R:安静、I:冷却、C:圧迫、E:挙上)を行い、状況に応じた治療方法をご提案させていただきます。ド・ケルバン病には鍼灸治療も良いとされていますので、痛みでお困りの方はぜひ当院にご連絡ください。

 

また、同じような症状で考えられるものとしては

①ばね指    ②母指CM関節症    ③関節リウマチ    などがあります。

 

これらに関しては今後、詳しくブログを書いていく予定ですが、簡単に説明をしていきたいと思います。

 

①ばね指(弾発指)

ばね指とは、手の平のMP関節(指の付け根)におこる腱鞘炎で、指の屈伸運動時にカクカクとしたばね(弾発)現象を生じることを言います。更年期や周産期の女性、指をよく使う仕事の方に多く発生し、糖尿病・リウマチ・透析をされている方は多発性(何本かの指に同時に起こる)に生じます。母指(親指)、中指、薬指に症状が出ることが多いです。

 

②母指CM関節症

母指CM関節症とは、物をつまんだりペットボトルの蓋を開けるときなどに手首の母指(親指)付け根付近に痛みが出ます。進行すると痛みが強くなったり、母指付け根付近が膨らんできて母指が開きにくくなることもあります。母指の付け根を押すと痛み、ひねる動作を加えると強い痛みがでるのが特徴です。

母指には第一中手骨という骨と、手の根元にある大菱形骨という名前の骨でCM関節(第1手根中手関節)を形成します。母指を使いすぎることにより、骨と骨の間にある関節軟骨(クッションの役割で骨同士がぶつかるのを防ぐ)の摩耗が起き、進行すると関節が腫れて亜脱臼を起こすことで母指の第一関節が曲がり、第二関節が反り返った ” 白鳥の首(スワンネック)変形 ” を呈することもあります。

母指CM関節の不安定性が強く、疼痛がある時期は運動療法は避け、装具や固めの包帯を巻いて動きを制限し関節周囲の安定化を図ることが大切です。それでも不十分なときは、病院にて痛み止めの内服や関節内注射、変形が強い場合は手術などが行われることもあります。

 

③関節リウマチ

関節リウマチとは、多発関節炎を主症状とする原因不明の全身性炎症性疾患のことを指します。関節内にある滑膜(かつまく)の異常増殖によって軟骨・骨などの破壊を起こし、関節の疼痛・可動域制限・不安定性・異常可動性などによって変形を生じ、最終的にはさまざまな運動機能障害をもたらします。手関節、MP(手根中手)関節、PIP(近位指節間)関節の腫脹・疼痛で発症することが多いと言われています。関節症状は左右対称的に起こることが多く、朝のこわばり(60分以上)を訴えることが特徴的です。

 

 

お身体の痛みなどでお困りの方は当院にご連絡ください。