冷え症は万病のもと

こんにちは
旭接骨院院長の伊藤です。

朝晩、ぐっと冷え込んでに日中との気温差が大きくなるといよいよ「冷え症」を訴える患者様が増えてきます。
「冷え症」というとただの寒がりをイメージする方もいると思いますが東洋医学では冷え症は病なのです。
ひと昔前までは「冷え性」と記してあたかも体質のように捉えていましたが研究が進み「冷え症」と記すようになり
病として取り扱うようになってきました。
冷え症は女性に多いといわれています。
その理由は
◎男性に比べて筋肉量が少なく脂肪が多いことが原因です。
人間の体温の60%が筋肉運動により熱が作られます。
筋肉量が少ない女性は当然熱を作り出す力も弱くなります。
また、脂肪は「熱しやすく、冷めやすい」という性質がありいったん冷えるとなかなか温まりません。
◎女性ホルモンの影響
卵胞ホルモンは熱を作りにくい性質があり、生理が始まり排卵期までの卵胞ホルモンの分泌が盛んな間は、
低温気を過ごすことになり冷えを感じやすくなります。
さらに生理の時には血液を失うのでその分女性は貧血になりやすく、体に十分な栄養や酸素がはこばれにくく「冷え」
につながります。

しかし、近年では男性の冷え症も増えています。
女性で約7割、男性でも約4割が冷え症を訴えています。
男性の冷え症
◎男性の場合は自律神経の乱れから起こることが多いです。
◎女性より深刻な場合があります。

冷え症の原因
◎今と昔の生活環境の違いがあげられます。
▢ 便利になった交通手段(電車・バス・タクシー・自家用車)によって歩く(運動量)ことが減ってしまったこと。
◎食生活の変化
▢ 和食中心から洋食へ変化したことや冬でも夏の野菜が食べられること。
(冬の野菜は体を温め、夏の野菜は体を冷や特性があります)
◎ストレス社会
▢ 精神的・肉体的ストレスによって自律神経のバランスが乱れて、交感神経が緊張し血液循環が悪くなり冷えを感じる。

☆冷え症は症状によって分類されます☆

「内臓温度が低下して手足が冷える方」
年々暑さを増す夏を乗り切るために体を冷やす食べ物や飲み物の摂取やクーラーの効き過ぎた部屋での生活が当たり前に
なっています。
しかし、これが冷え症の大きな原因になっているのです。
特に今年は新型コロナウイルス感染症防止のために外出を控えたりリモートやテレワークで会社や学校への
通勤、通学が減り運動量が減っていることも要因になっていると思います。

人体における熱産生の約60%が筋肉運動です。
その約60%が下半身の筋肉運動からです。
その他内臓では主に肝臓・心臓・腎臓が熱を作ります。

暑い夏に体を冷やし冷たい飲み物や冷えた食べ物で内臓を冷やし、運動不足で筋肉を使わず熱が作られず
そのまま冬を迎えたらどうなるでしょう?
この冷え症タイプの人は

手のひらをおなかに充てると冷たく感じます。
胃腸の働きが鈍くなるので下痢や便秘、食欲不振などの自覚症状があります。
また、腰痛や足のしびれなどを訴える方もいます。
ボディチェッカー(測定器)で調べても血流は正常なのに体の冷えを訴える人は熱を産生できないのです。
これが『内臓温度低下型冷え症』です。

「手足が氷のように冷たくなる方」
近年の夏の暑さは尋常ではありませんね。
クーラーの効いた室内で体を動かすことなくデスクワークをされているような人は特に注意が必要です。
室内温度を少し高めに設定してください。
冷やしすぎますと体を冷気から守ろうとして交感神経が刺激されて手足の抹消血管が収縮し血流が
悪くななる『抹消血管収縮型冷え症』がこれです。

「痛みや全身の不調を感じる方」
『内臓温度低下型冷え症』と『抹消血管収縮型冷え症』がミックスしたパターンです。
冷え切った室内に長時間居る方や外と室内を出入りするような方は抹消血管の収縮と拡張が繰り返されて
対応が不可能になってしまいます。
その結果、交感神経と副交感神経のバランス(通常6対4)が乱れ交感神経が機能不全をおこします。
収縮することで熱の放出を防ぐはずの抹消血管が拡張状態になってしまい体は冷えているのに熱も放出している状態を
『次世代型冷え症(自律神経失調型冷え症)』といいます。
これは冷え症が重症化したパターンです。

このタイプの冷え症は自律神経やホルモンの変調など全身的な生理作用の低下が影響すると考えられます。
下痢や便秘、食欲不振、胃もたれなどの胃腸症状や不眠、腰痛、肩こり、めまい、頭痛、頭重感、
やる気が起きない、いつも疲れている、朝起きれない、ネガティブ思考になるなどの不定愁訴を訴えます。

体温が一度低くなると・・・
1. 免疫力が30%低下して風邪などをひきやすくなり、治りにくくなります。
2. 代謝が12%低下し、なかなか痩せません。
3、細胞の働きが低下し肌の生まれ変わりが遅くなり老けやすくなります。
4、自律神経が乱れ痛み、コリ、寒さなど強く感じるようになります。
5、内臓機能が低下し胃腸、肝臓、腎臓などの働きが低下します。
6、うつ傾向になります。

 

◎冷え症の予防と対策

冷え症の予防と生理作用を盛んにするには、良質なたんぱく質、ビタミンB群、ビタミンC、Eと各種ミネラルをまんべんなく
摂って神経作用と血行の促進をはかること、体を温める食べ物を摂ること、積極的に運動をすることです。

冷え症を予防する食べ物
冷え症の予防には体を温めることが第一です。
体を温める食べ物を紹介します。
「餅」餅は温の性質をもった食べ物で体を温める作用があります。
雑煮、焼き餅、きな粉餅、草餅がお勧めです。
大根おろしをからめて食べると消化もよくなりますから胃弱の人にお勧めです。
量は、一日2切れ程度を朝食に食べるとよいでしょう。

体を温め代謝を盛んにする食べ物の代表が「かぼちゃ」です。
冬至にかぼちやを食べる習慣があります。
かぼちゃにはカロチンが多く含まれていて体内でビタミンAにかわって粘膜を保護するので、
風邪などの感染症を予防します。
適量を週に数回食べると、体を温める効果と、風邪の予防が期待されます。
その他、根菜類がお勧めです。

体を芯から温める物として「赤唐辛子酒」があります。
赤く熟した唐辛子15本、レモン4個、焼酎1.8ℓを用意します。
唐辛子は水で洗い、レモンは皮をむき四つ切。それに焼酎を注ぎ、冷暗所に保存します。
2週間後に唐辛子、2ヶ月後にレモンを取り出します。
寝る前に30ml~60mlをはちみつを加えて飲むとより効果が期待されます。

冷え症の人が気を付けたい食べ物として
きゅうり、ナス、ピーマンなどの生で食べるのは避けてください。
みかん、すいか、柿なども体を冷やしますのでできるだけ体を温める食べ物を選んで摂りましょう。

入浴法
シャワーだけの入浴は避け、40℃のぬるめのお湯にゆっくりと10分~15分間肩までつかりましょう。
抹消の血管が拡張し水圧も加わり血流が改善されます。
なお、心臓疾患や呼吸器疾患などで医師から入浴を制限されている方はこの限りではありません。

運動
毎日できる無理のない運動をしましょう。
20分以上のウォーキングがお勧めです。
胸を張り臍の位置から足が付いているイメージで歩きます。
その際にはももを上げ少し大股で腕を振ってください。
全身運動になり熱の生産量がアップします。

使い捨てカイロ
使い捨てカイロを2つ用意します。
一つはおへその下、下腹部に、もう一つは骨盤の中心にある亀の甲羅のような仙骨の上にセットします。
仙骨周辺は自律神経や毛細血管が集中しています。
ここを温めることで全身の血のめぐりがよくなり、自律神経も整ってきます。

冷え症はこれからが本番です!!
いまのうちから備えをしっかりして冬を乗り切りましょう。

当院は全国冷え症研究所・浜松分室です。
冷え症についてのお困りごとはお問い合わせください!!